(公財)国際宗教研究所
 
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『ラーク便り』データベースについて

『ラーク便りの全記事のうち、ここでは「宗教専門紙の記事」、「一般紙・雑誌の国内宗教関連記事」、「国外の宗教ニュース」をデータベース化してあります。
ただし、最近3年間のものは収録されておりません。
『ラーク便り』本誌には、これ以外に「ピックアップ・ファイブ」、「研究ノート」、「エッセイ」、「宗教専門紙が書評した本」、その他が掲載されています。

媒体:専門紙/国内記事/国外記事/小特集(国内・国外)の別
小分類:国名等

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発行年 2003
号数 19
媒体 小特集(国内・国外)
大分類
小分類(国名等)
記事タイトル 日本とイラク攻撃
本文テキスト  国連査察団によるイラクの大量破壊兵器調査の継続と、国連安全保障理事会での武力行使容認審議を拒んだ米国は、フセイン・イラク大統領への「最後通告」を行い、3月20日には英軍とともにイラク攻撃を開始した。日本国内では、小泉首相をはじめとして自民党、保守新党、公明党ら与党による米国「支持」が表明されるいっぽうで、各教団や一般社会から、戦争に反対する声があがった。日本国内に在住するイスラム教徒の戸惑いなど、9.11の米国同時多発テ口事件が拍車をかけることになった世界の再編の渦中で、国内でもさまざまな思いが交錯している。

 3月初めの毎日新聞による電話を使った全国世論調査では、イラク攻撃に賛成する人は11%、反対は84%との結果が出た(毎日・東京3/3)。攻撃開始後の日経新聞社の調査では、攻撃に賛成が25%、反対が68%で、同社の2月の調査に比べると「賛成」の割合が上昇したという(日経・東京3/22)。各教団でも、イラク攻撃への反対声明や運動が展開された。開戦前からいち早く反戦を表明した教団の一つは真宗大谷派で、同派は2月28日に「イラクへの武力行使に反対する声明」を出した(京都新聞3/1)。3月18日には、新宗連の青年組織のメンバー5人が、イラク攻撃を中止する要望書をホワイトハウスへ届けるため米国へ出発している。創価学会は、中央社会協議会会議長の名で3月20日、反戦の談話を発表。大本教も「イラク攻撃が始まったことはまことに遺憾」との声明を出した(朝日・大阪3/21、京都・京都3/21他)。→本号の専門紙記事欄を参照
 国内各地のモスクでは攻撃開始後すぐにイスラム教徒らが集い、礼拝を行なった。群馬県伊勢崎市内の礼拝堂では20日、信徒らが戦争の早期終結と平和を祈り(上毛新聞3/21、毎日・群馬3/22)、「名古屋モスク」でも20、21日と、300人の信徒らが戦争の即時停止を願い、祈りをささげた(日経・名古屋3/21、中日・名古屋3/22)。千葉県市川市「ヒラーモスク」や神戸市の「神戸ムスリムモスク」でも、信徒らがメッカに向かい平和を祈った(朝日・千葉3/22、毎日・大阪3/22)。短期間で終わると見られていたイラク攻撃が長引く中、天台宗の開闢1200年を祝う法要が4月1日に行われ、座主や僧侶らが戦争の早期終結を祈願し戦争犠牲者を慰霊するため読経を行なった(毎日大阪・夕4/1、毎日・しが4/2)。曹洞宗大本山永平寺では4月10日、「世界平和を求める曹洞宗の祈り」と題し戦争の犠牲者の冥福と世界の平和を祈る法要を行なった(福井新聞4/11)。また攻撃開始から2ヶ月後の4月20日、広島市の原爆ドーム前で「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の主催によるイラク戦争の全犠牲者を追悼する集会が行なわれた(中国新聞4/21)。
 さらに、反戦の意思表明や運動は宗教者のみにとどまらなかった。米英が武力行使の方針を明白にしつつあった3月8日、東京の日比谷野外音楽堂では、50あまりの団体による呼びかけで集まった4万人が反戦デモに参加した。この日は、東京のほか全国約30ヶ所で反戦の集会やデモが催された(毎日・東京3/8)。その後もさまざまな形での反戦活動が相次ぎ、攻撃に先立つ3月17日には日本ペンクラブが、米英に対しイラク攻撃の中止を求める声明を出し(朝日・東京3/18)、攻撃が開始された3月20日の時点で、グリーンピース、原水爆禁止日本協議会、全国労働組合連絡協議会、全日本民主医療機関連合会、日本科学者会議、日本原水爆被害者団体協議会、日本新聞労働組合連合、日本民開放送労働組合連合会、私鉄総連などの諸団体が、イラク攻撃に反対する声明や談話を発表した(朝日・東京3/21)。また複数の日本人男女が「人間の盾」として、攻撃開始に前後してイラクへ入国、あるいは残留を決めた(東京・東京・夕3/12他)。米国・英国大使館前や米軍基地前などで市民団体などによる抗議活動もさかんに行われ、3月20日には傷害容疑で逮捕者が出た(朝日・東京3/21)。
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