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記事年月 | 2003年9月-11月 |
号数 | 21 |
媒体 |
国内 |
大分類 | |
小分類(国名等) | |
記事タイトル | リード文 |
本文テキスト |
近年、「宗教文化」の復興のニュースを目にすることが多くなった。本号でも、精進料理が健康ブームで注目され、レシピ化されたり、有機栽培米の使用や弁当形式をとるなど現代風に洗練された形で再評価されている。こうした文化復興運動の大きな動機のひとつとなっているのが世界遺産である。現在、日本からは、法隆寺地域の仏教建造物や厳島神社、日光などが登録されているが、今回、長崎の教会群が登録を目指す。このように宗教文化、宗教伝統の見直しがされる一方で、与論島の洗骨儀礼のように衰退に向かうものもあり、なにがその境目を分けるのか、考えさせられる。 新聞やTVをにぎわせたものとしては「有栖川宮」詐称詐欺事件があった。途絶えた宮家の末裔を名乗り、結婚パーティを開いて、参列者から祝儀を騙し取ったとするものだが、ある意味で、これも宮家という文化資産の悪意ある文化復興だったといえるかもしれない。各地で判決が下った祈祷師による「悪霊払い」の詐欺事件も同様である。 11月には衆院選挙があった。政権選択を掲げ、二大政党制に向かう準備が整ったとされる今回の選挙だが、結果は、民主躍進、自民退潮、にも関わらず与党は絶対安定多数を確保するという結果だった。唯一勝者といえるのは、公明党であろう。社民、共産は一桁代に落ち込み、保守は自民に吸収されたなか、公明党は創価学会という安定した支持基盤を武器に、選挙協力で自民党に恩を売りつつ議席を延ばした。「自由公明党」という民主党幹部の揶揄は、単なる選挙運動期間中のパフォーマンスに終わらない重みを持っていると思われる。 また、東京地裁では7年半に及んだ松本智津夫(元オウム真理教代表)被告の裁判が結審した。判決の結果については、次号で報告できる見通しである。 |