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記事年月 | 2006年6月-8月 |
号数 | 32 |
媒体 |
国内 |
大分類 | 小特集 靖国問題の諸局面 ―富田メモの波紋と靖国参拝をめぐる喧騒― |
小分類(国名等) | |
記事タイトル | *今夏の首相靖国参拝 |
本文テキスト |
ポスト小泉レースの裏側では、小泉首相が公約に掲げた8月15日の靖国神社参拝にも目が向けられていた。首相自身は公約の実現に意欲をみせていたが(毎日・東京 8/9他)、野党をはじめ、政府・与党の一部議員からも靖国神社参拝の中止を求める声が相次いだ。宗教界では全日本仏教会や新日本宗教団体連合会などが、憲法20条で定める政教分離の原則に反するとして、それぞれ首相に靖国神社参拝の中止を訴える意見書を首相宛てに提出している(朝日・大阪 8/5、朝日・東京 8/10)。 そうしたなか、終戦記念日の8月15日、小泉首相は靖国神社に参拝、モーニング姿で昇殿し「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳した。歴代首相としては中曽根康弘首相以来、21年ぶりの8月15日参拝である。小泉首相は自身の参拝について、「私人」として不特定の戦争犠牲者に哀悼の念を捧げるためと語った(朝日・東京・夕 8/15他)。 かねて小泉首相の靖国参拝に難色を示していた中国や韓国両政府は、抗議の意を政府に申し入れた。しかしそれ以降、目立った反発は寄せられていない。中韓両国の抗議デモも昨年の3月に起こった中国の反日デモのようには拡大しなかった(読売・東京 8/18)。次期首相に同問題の解決を迫るべく、今回の参拝には一定の配慮を示したのであろうか。 日本国内では評価が割れている。対アジア外交を危惧する経済界や、信教の自由を求める宗教界では小泉首相の靖国参拝に否定的な立場をとるものも多いが、8月15、16日に実施された毎日新聞の世論調査では、参拝を「評価する」は50%、「評価しない」は46%であった(毎日・東京 8/17)。同期間に行われた読売新聞の調査では、「支持する」は「どちらかといえば」を合わせて53%、「支持しない」は39%という結果(読売・東京 8/17)。なお、毎日新聞の「評価する」との意見を年代別に見ると、(1)70歳代以上(61%)、(2)60歳代(55%)、(3)20歳代(54%) ―の順となっており、若年層の間で靖国参拝を支持する割合が高くなっていることが注目される(毎日・東京 8/17)。 |