(公財)国際宗教研究所
 
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『ラーク便り』データベースについて

『ラーク便り―日本と世界の宗教ニュースを読み解く』の全記事のうち、ここでは「宗教専門紙の記事」、「一般紙・雑誌の国内宗教関連記事」、「国外の宗教ニュース」をデータベース化してあります。
ただし、最近3年間のものは収録されておりません。
『ラーク便り』本誌には、これ以外に「ピックアップ・ファイブ」、「研究ノート」、「エッセイ」、「宗教専門紙が書評した本」、その他が掲載されています。

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詳細
記事年月 2001年9月-11月
号数 13
媒体 国外
大分類 【3. 中東・イスラーム世界】
小分類(国名等) ◆その他同時テロ関連
記事タイトル *対テロ報復攻撃へのラマダンの影
本文テキスト  米国の対テロ報復攻撃にさいして、イスラム世界において聖地巡礼などと並ぶ最も崇高な行為とされているラマダンの存在が、今回の攻撃を宗教戦争にはしたくないと考える米の軍事作戦に大きく影響すると考えられ、注目を集めた。
 ラマダンはイスラム暦(太陰暦)の9月にあたり、2001年の場合、11月16日ごろから約30日間。ラマダンを無視して攻撃を続行することは、神への冒とくとして、イスラム教徒の多いアラブ国家の恨みを買う。このため、ラマダン前は、空爆や特殊部隊によってビンラディンとその一派が潜伏するアフガンの拠点を急襲し、ラマダンが明けた後に報復攻撃に反発するテロ支援国家などに対し、テロ撲滅を目指した継続的な攻撃が行われる、というシナリオが9月の段階では予想された(読売9/20)。
 ラマダンを翌月に控えた10月に入ると、米ラムズフェルド国防長官が22日、軍事作戦はラマダンの外交的配慮に左右されるべきではないとの見方を示した(朝日10/24)。同日、パキスタンのムシャラフ大統領は、米CNNテレビで、ラマダン中の攻撃がイスラム世界にマイナスの影響を与えることの危惧を表明したが(日経夕10/23)、米国防長官は28日、ABCテレビの番組などで、「(第四次中東戦争、イラン・イラク戦争など)多くのイスラム諸国がこの期間中も戦争をしてきた」と述べ、必要と判断すれば、ラマダン中も空爆を続行するとの姿勢を示唆(朝日夕10/29)。英も翌29日に同様の立場を示し、北部同盟も31日に「タリバンはいつもラマダンの神聖さを侵してきた」として、米英軍の空爆継続を要望した(朝日夕11/1)。 
 その後、ブッシュ大統領も11月2日、攻撃の続行を確認する方針を確認、タリバン政権も、アルジャジーラを通して「ラマダン中の聖戦の継続は、いかなる宗教的な規定にも抵触しない」と述べた(産経11/4)。続いて、米政府は5日、政府系ラジオ放送「アメリカの声」(VOA)を通じ、アフガンの主要言語を含む各言語でイスラム圏に「預言者ムハンマドもラマダン中に戦った」などとして、攻撃を続ける「政府声明」を流した(朝日11/7)。
 一方、インドネシアのメガワティ大統領は11月1日、ラマダンとキリスト教のクリスマスの期間中は中止すべきだとの考えを強調し、米政府に宗教的配慮が必要との立場を示し(産経11/2)、マレーシアのマハティール首相も、ラマダン中の空爆に反対する意見を述べた(朝日夕11/5)。
 翌5日にはサウジアラビア政府が、ラマダン中に攻撃が行われた場合には世界中からメッカに集まる数十万人のイスラム教徒による大規模な抗議行動が起きるとの強い懸念をパキスタンに伝えたと報道された(日経夕11/6)。パキスタンも、一時は米の攻撃続行に一定の理解を示したものの、国内のイスラム原理主義勢力の反発などを受け、軌道修正を図り、8日に同国大統領が英首相と会談、攻撃を一時停止するよう暗に求めたが、聞き入れられなかった。
 16日、アフガニスタンを含むイスラム諸国の大半がラマダンに入ったが、米国の攻撃は続行。イスラム世界から反発があがっていることを懸念したブッシュ米大統領は19日、イスラム諸国の駐米大使らをホワイトハウスに招き、イスラム教のイフタール(一日の断食が終わった直後の夕食)を共にし、イスラム教の信仰に敬意を表するとともに、米国への理解を求めている(毎日11/21)。
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